「桜」源郷への道 
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「桜」源郷写真紀行へ

みなさま       

 昨日、土曜の午後、行って来ましたよ。例の「桜」源郷へ。      
 だれもついて来る者がいないので(私の家族は、私を除いてみないそがしい!)一人で行ってきました。脇町から通勤している看護婦さんからいろいろ情報をしいれ(ただし、この人も実際には行ったことがない)ました。脇町から、塩江方面に車を走らせると、江原の手前で曽江谷川を渡る細い橋があるので、そこを右折すればいいとのことでした。行ってみると、聞いたとおり、その付近には、「桜の名所 大場池(おおばち と読む)」という書かれた幟がたくさんたっており、近くには、「八百萬神御殿」という大きな看板もでており、「ははー、この神社だな」と想像がつきました。 普通車一台がやっとの細い橋をわたり、民家の間の細い道を抜けると、神社の信者(神社の法被を着ている)らしい若者に呼び止められました。「道が細く、対向できないので、下りの車が通り過ぎるまで、この広場で待っておってくれ」ということでした。彼は、てきぱきとした好青年風で、トランシーバーを持っており、おそらく山の頂上と連絡を取り合っているものと想像されました。「これなら、細い山道で対向の心配がなくなった」と一安心して、道路脇の駐車場で待ってていると、あとから、くるわ、くるわ。家族づれの車がどんどんやってきて、私の後ろに並びます。桜も満開、いい天気で今日は絶好の花見びよりです。私のように、噂を聞きつけてやって来る人も多いのでしょう。       
 10分ほど待っているうちに、20台ぐらいが並んだでしょうか。下りの車の一団が通りすぎて、若者の合図で、私を先頭に走りだしました。途中、分かれ道には、誘導する人が居てくれます。まったく、親切な神社です。道は、途中から未舗装のでこぼこ砂埃道。勾配も急、幅員も狭く、カーブも急。途中で一カ所、ハンドルを切り返さないと曲がれないところもあります。      
 こんな山道を、10分ほどあがると、標高も高くなったところで、大きな駐車場があり、係りの人が誘導してくれます。そのころから、まわりに桜の木が多くなります。駐車場に車をおき、社務所の方に歩いていくに従い、周りは桜だらけ。噂だけのことはあります。これも噂どうり、社務所のノートに名前と住所の記帳を求められます。そして、そこから、社殿の方に歩いていくのですが、このへんから、全くの桜の森 といった感じです。      
 坂口安吾の「桜の森の満開の下で」という、美しくも不気味な短編小説を思いだします。(でも、まわりは家族ずれが多く、当面はそんな気分でないです。人の少ない、早朝や夜に来たら、どんなだろうと想像されます)新緑の森は、人の心を落ち着かせる作用があると言われますが、どうも、満開の桜というのは、人のこころを興奮させると同時に、なんというか、すこし不安にさえさせるような作用があるような気がします。坂口安吾がこんな小説を書いた気分がわかるような気がします。      
 山全体の規模からいうと、徳島の眉山にはかなわないでしょうが、なにせ、この場所は桜以外の木がほとんどありません。規模は狭いが、桜が集中しているのです。社殿がある場所の周辺から上は目につくのは、桜のみといっても過言ではないような気がします。山の頂上から、桜の森ごしに眼下に美馬町、吉野川が望めます。      
 それと感心するのは、ゴミは全く落ちていないこと。自動販売機のひとつもなく、売店もありません。このへん、神社の配慮には敬服させられます。弁当を広げる人はもちろん、たばこを吸う人もいません。眉山のように、うるさいラウドスピーカーからの音楽もありません。      
 「日本で三本の指」は疑問ですが、(上のような理由で)「徳島一」というのは、まちがいないようにも思えました。      
 里の桜とちがい、私の行ったときが満開(係りの若者は、「9割5分咲き」といっていた)まだ、「散り染め」る桜は全くありません。天候に恵まれれば、来週の週末も花見を楽しむことができるように思われます。      
 阿波町から全行程2時間程度の「花見」でしたが、行ってよかったと思います。      
みなさまもいかがでしょうか。      
 簡単な地図をアップしてあります。会員&ゲスト専用ページから、「桜のアイコン」を目印に進んでください。      
 昨日撮った桜の写真の現像が今日できるはずになっています。できましたら、アップします。ご覧ください。(出来映えは保証できませんが……)      
  平成10年4月5日(日)      
dc_ken@momo.so-net.or.jp 笠井 謙二      
 

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